pikaia pandeiro special / SANGUE
(fulldesign records FDR-1007)
◆ 中原 仁 ◆
社交辞令いっさい抜き、「俺が今、東京で聴きたいのはこういう音楽だ!」と言えるバンドに出会うことが出来た。
"Jazz and beyond"な活躍を続けているトランぺッター、渡辺隆雄。
マルコス・スザーノの思想と精神を継承するパーカッショニスト、小澤敏也。
この2人のデュオ・ユニットから発展した pikaia pandeiro special の音楽は、たんなる "アフロ・ブラジル音楽とジャズ~ファンクのミクスチャー"ではない。
そこには、さまざまなルーツ・ミュージックへの敬意と探究心に加え、"東京発の音楽"を目指す爽快なアドヴェンチャー精神がみなぎっている。
この、聴いててまさに血(サンギ)が騒ぐアルバム『Sangue』を機に、彼らが東京の、日本の、そして世界のライヴ・シーンで大暴れする日は、もうすぐそこまで来ていると思う。
その他のCD評
◆林 かつのり氏 in ラティーナ 10月号◆
ピカイア・パンデイロ・スペシャルというグループ名だが、パンデイロ一辺倒ではない。
アルバムタイトルの「サンギ」はポルトガル語で「血」の意。
トランペットの渡辺隆雄、パーカッションの小澤敏也、宮川剛とギターの中西文彦といった出自の違う「血」が混血され、シランダやフレヴォ、サンバヘギと いったアフロブラジリアンルーツのサウンドにジャズ~ファンクといった系統の黒人音楽が加わって、アンサンブルは更なる変化を遂げる。
パンデイロだけで聴かせてくれる曲から、16ビートのファンク風あり、70年代のブラス・ロックありと、どこを切っても形は違えど、様々なルーツ・ミュー ジックへの敬意が感じ取れるし、ラジル音楽として聴くより、パンデイロとブラジルのリズムに形を借りた現在進化系のパーカッション・アンサンブルとしてと らえるべき。
ゆえに全てのパーカッション・ファンが楽しめる内容と言っても過言ではないだろう。
◆岡部洋一氏 in リズム&ドラム・マガジン10月号◆
pikaia pandeiro specialということで、文字通りパンデイロ中心で攻めるのかと思いきや、いきなりホーンとカイシャとスルドと歪みギターとアタバキで、ジャンバラヤにフェイジョアーダぶっかけて有楽町のガード下で食ってる感じが楽しすぎ!
3曲目からはパンデイロ大活躍のナンバーが次から次へと。
しかしベースレスという編成は大正解です。
両耳でうねるパンデイロが低音からアタックからゴースト・ノートからサウダージからブレイク・ビーツからジャングルからスカからマンボからう何でも表現してしまうので、もはやギターもペットも余裕です。
楽しそう。
ブラジル音楽のモチーフを語法として用いているのだが、アルバム全体から醸し出される匂いはやっぱり豚骨ラーメンなのだ。
これってなかなか大変なことなんです。
世界中のパンデリスタのみならず、豆と肉を煮込んだ料理が好きな人はマスト!
あーオレやっぱりパンデイロやらない!
◆HMV渋谷店 富澤氏 in HMVフリーペーパーNo,169◆
ジャズ/ブラジル音楽ファンに嬉しいお知らせ。
ジャンルの枠を超え、パンデイロの新しい可能性を最大限に引き出し、全面に押し出すピカイアの新作が遂に発売!
まさに血=SANGUEが騒ぐ強烈かつ濃厚なグルーヴ・サウンドで核心を突く。
強力推薦盤です!!
◆レコーディング風景◆